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2020年7月1日更新     6月26日シンポジウムの結果 
シンポジウムは盛会裏に終了し、「閉会宣言」が全会一致で採択されました。
今後の活動への大きな第一歩になりました。
8月初旬には、A4で約100ページの報告書を作成し、当日の参加者に郵送します。

            閉 会 宣 言 

株式会社エコ・サポートは、研究開発型コンサル・シンクタンクとして両国のパイ ブ役を果たし、

1.インドネシアの資源(アブラヤシ)を日本の技術で、そして、両国の連携・協力の もと
  電力・燃料化開発の推進をはかる。 

2.2050年へ向けて、両国が世界に先駆けて経済的?効率的?持続可能な地球温暖化対策への
  道筋をつくる。 

3.パー厶農園に適用する新しい国際特許の実施権をインドネシア政府に無償で 提供し、
 この事業に関するプラットフォームを構築する。 

4.インドネシアのジョコ大統領が昨年1〇月に就任演説、独立宣言後1〇〇周年の
「2045年にはGDP世界第5位以?を目指す」と宣言。その実現には日本の経験と技術が
必須と認識する。

5.日本とインドネシアは2050年以降への輝かしい未来が拓けること、この動きを拡大する
活動の重要性を共に確認した。

令和2年(2020)6月26日 
株式会社エコ?サポート 
取締役 松尾正隆 作成 

2020年6月18日/25日更新     6月26日シンポジウム用
◆参加申込: HP「エコサポート通信」から。https://www.eco-support.co.jp/
   ⇒『エコサポート通信』でHPに入ったら左欄、目次の『トップページ』をクリック。
    シンポジウム案内・関連記事の最下段にも申し込みについて記載しています。
    参加費:2000円 8月初旬にA4で100ページの報告書を郵送します。
    申込用メールに氏名,所属をご記入ください。:dfaqv509@kcc.zaq.ne.jp
    毎日、関連情報を発信し、定員になり次第、表示・広告します。       ■

ホームページの再開とシンポジウムの開催(ご案内)
2012年1月14日に技術士環境研究会主催でセミナーを開催して以来8年が経過。わが国の長期的なエネルギー戦略の実行・推進が必要です。2013年に環境研究会が委託した発電事業推進員会での答申は関西,大阪湾岸に天然ガスによる先進型の火力発電所の建設です。当社が事業を継承し、日本での取り組みとともに海外に視野を広げて活動しています。

その後の取組みは順調で、2050年の地球温暖化対策への道筋が明確になりつつあります。インドネシアのパーム農園でできる膨大なアブラヤシの果実(FFB)を発電・燃料化すること、日本とインドネシアが連携・協力して電力・燃料化開発を進めることで、両国は世界に先駆けて経済的で効率的に持続可能な温暖化対策を実現可能です。

インドネシアのジョコ大統領は昨年10月の就任演説で独立後100周年の「2045年にはGDP世界第5位以内を目指す」と宣言しました。歴史的にも地政学的にも日本と連携・協力が重要です。日本では殆ど知られていないインドネシアのパーム産業を含め、2020年中に国の政策に位置付けられるよう、以下の取組みを進めます。ご協力・ご支援をお願いします。

                株式会社エコ・サポート 代表取締役  山本泰三

                    記
1.一般社団法人エネルギー・資源学会第39回研究発表会(7月28日〜29日)に当社から4件の論文を発表し、その後機関誌に掲載するため、投稿手続きが6月15日に完了しました。

2. 6月26日(金)に東大阪商工会議所で当社主催のシンポジウムを開催します。HP「エコサポート通信」に毎日関連の重要情報を掲載して、参加案内をします。

3.上記の活動成果として、報告書を8月1日に作成公表します。2012年からの取組みと新型コロナウィルスの出口戦略に関わる発表を含みます。燃焼科学・化学・工学からの類似性についての考察と実践活動です。

4.12月中に地球温暖化対応の道筋が、広く国内外に理解され政策に反映されるよう出版を目指します。2050年に活躍する人々に対して大きな役割がある女性が重要な目標です。

5.多くの方が読んで活動支援頂くための出版です。山本所有の株式(資本金4000万円)の一部を額面でお引き受け頂き、原資を確保します。別途、ご協力をお願いします。
                                    以上 ■ 

2020年6月21日
パーム産業での自立・地域分散型電力製造供給システム   
           技術士(建設、環境、衛生工学、総合技術監理) 安ヵ川 常孝 
1.インドネシアとプランテーション
 昨年10月、インドネシアのジョコ大統領は第2期の就任式で、「インドネシアは2045年にGDP世界5位以内を目指す」と宣言した。植民地時代からプランテーション方式が国の基幹産業になっており、パーム産業をもとに関連産業を拡大することを意味する。

独立後、プランテーションを主に経営したのは、植民地時代に実務を担当していた中国人の実業家たちである。栽培作物は一次産品から天然ゴム林に移り、独立後は生産性・収益性の高いアブラヤシを栽培し、果実から得られるパーム油が主生産物となった。パーム農園のイノベーションに関しては、政府が資金を段取りしなくても、パーム農園事業主の豊富な国際商業資本で進めることが可能である。

2.アブラヤシ 
 アブラヤシは熱帯雨林でのみ生育する樹木である。プランテーションの栽培では3年で果実を収穫する。20年で皆伐し、跡地に品種改良した苗木を植林する。農園を20年で1サイクル回転するようブロック割りで計画すると、通年エンドレスで果実収穫が可能である。 
 
3.パーム油
 西洋の企業を中心にRSPO「パーム油の持続可能なパーム油のための円卓会議」を設立し、RSPO認証取得企業が増え、国際的ボイコット運動になっている。パーム油は国際的に食料油として大豆と競合しているが、大豆は草、アブラヤシは樹木なので、生産効率ではパーム油が優位である。

果実の生産量の安定性が高いので、長期的にみると市場経済を乱す食料油よりも燃料化が適している。パーム油に関し、食料油からCO2ゼロ評価換算燃料化へのパラダイム転換を図ることは、国際的見地からも2030年のSDGs目標、2050年のパリ協定目標に沿っている。インドネシア政府では、安定して供給可能なパーム油の燃料化を国の基本戦略、経済発展の原動力に位置付けており、今回は本気である。

4.自立・地域分散型電力製造供給システム 
 現在、700か所あるパーム農園を自立型で地域分散型の発電所にし、パーム農園を繋ぐ経済的な自家用電線のネットワークを構築する。この電力供給ネットワークが整備されることにより地域開発が進み、パーム農園は早い時期に倍増し、ジョコ大統領の構想は実現できる。

5.国際特許とプラットフォーム 
 エコ・サポートが登録している国際特許を基に、パーム農園に適用する新しい国際特許を2020年3月に申請した。この実施権をインドネシア政府に無償で提供すると約束している。この事業に関するプラットフォームを主に日本で構築する。インドネシア側はテレワークで参加することになる。

 700か所のパーム農園を増強し、電力製造供給ネットワーク化する事業は、自立型で地域分散型の理想的なエネルギーインフラ整備を実現できる。CO?排出ゼロ評価の再生可能エネルギーを安定して永続的に生産することになり、プラットフォームに参加した企業は、Sustainableな事業と関わることになる。

 これらの組み立てとインドネシアとの協議は、ノーベル経済学賞を授賞したスティグリッツ教授(米国)のラーニング・ソサイエティ「成長する社会」の考え方に沿って進めることになる。                                ■

2020年6月22日 
高効率なS-GTCC (Sustainable Gas Turbine Combined Cycle )発電システム 
                     技術士(衛生工学) 深田 晃二 
1.高効率で持続可能なGTCC (S-GTCC) 
 燃焼ガスで稼働するガスタービン(GT)発電機に加え、タービンを出た後の600〜700℃の排ガスから蒸気を作り稼働する蒸気タービン(ST)で発電するGTCC(Gas Turbine Combined Cycle)の技術は1985年には東電富津火力で合計500万kWと世界最大規模で採用された。その後の技術開発は発電効率の向上のため大規模化し現在約60%に達している。

GTCCにZero Wasteの考え方で、効率アップを目指したシステムをS-GTCCと名付けた。
(1)排ガスのNOXをゼロにする            ⇒パーム農園では煙突が不要
(2)排ガス中の水蒸気潜熱回収による熱効率の向上  ⇒水蒸気による景観対策も不要
(3)潜熱回収により回収したクリーンな水の有効利用 ⇒重要なインフラになる
究極の高効率システムであり、インドネシア等のパーム農園での最適システムである。

2.日本での開発経緯
 1998年に大気汚染問題が、最も深刻な大阪市内での新設の15万kWは従来より飛躍的に高い脱硝技術を採用した。市民や行政からも必要な発電所として高く評価された。最大の受益者は関西電力である。明治時代、九州からの石炭、その後海外の石油に変えた発電所を2002年に廃止した。S-GTCCであり、環境アセスメントが簡素化あるいは不要になる。

 2011年の福島原発事故の後、2014年には大阪の夢洲で、改正環境影響評価法の第1号案件としてLNGによるS-GTCC大型発電計画を公告し経済産業大臣の意見が公表された。しかし、事業者がリスクを伴うとして具体化しない。2016年6月の国際影響評価学会IAIA16で乾式脱硝触媒を用いてNOIを99%除去できることを実証し高い関心と評価を得た。
 2017年に国内ガス事業者との間で5000kWのS-GTCCの実証検討でGTCCより経済性も環境性も高いが、需要が小さいとシステム完成度が低く維持管理費が割高で普及しにくい。

3.パーム農園では電力インフラを柔軟に構築可能
 パーム果実(FFB)から蒸気を利用してパーム粗油(CPO)を搾油し精製すると、油混じりの廃液(POME)から発生するバイオガスは60%程度のメタン(CH?)を含んでいる。インドネシア政府は、捕囚したバイオガスを発電用燃料とする政策を進め温暖化を防止すると国際約束した。バイオガスから1MW(1000kW)規模の発電ができる。政府はガスエンジン(GE)発電の実証普及に取り組んでいるが、課題が多い。

 大手のパーム農園事業者は財閥系で豊富な資金力があり、高価な捕囚設備を既に70か所に設置した。安定したS-GTCCの設置・実用化プロジェクトに強い参画の意思を示している。パーム農園では気体燃料と液体燃料との組合せにより、電力需要量に応じて産業のコメである電力供給を計画的に推進できる。

 BPPT(技術研究応用庁)長官は現在ある700カ所のパーム農園にすべてS-GTCCを日本の技術を導入すると2019年3月、大阪でのシンポジウムで意思表示した。この延長上にジョコ大統領の宣言があり、今回のアリフィン・タスリフ エネルギー・鉱物資源大臣のメッセージは、日本だけが経験した技術の有効な活用に強い期待を示している。

4.S-GTCCの世界的な展開へ
 パーム農園は温暖多雨の熱帯地域、国内およびアフリカ等で普及が進む。経済と技術で、インドネシアと日本の連携は欠かせない。実績ができると、日本及び世界で大型のLNGによるS-GTCC発電の普及が進む。2025年の大阪万博の会場は夢洲であり未来社会のシンボルになる。インドネシアはLNGは外資獲得の有力な手段であり、S-GTCCとセットで世界に輸出し普及できる。日本の技術や日本人のまじめさ、改善・改良への能力などを活かし、復活への大きなチャンスである。                   ■

2020年6月23日
ガス小型湯沸器の燃焼特性と新型コロナウィルスの爆発的発生との類似性の一考察 
                     技術士(環境、総合技術監理)山本 泰三
1.天然ガスへの燃料転換と小型湯沸し器の燃焼特性
 1970年代の高度経済成長期、都市ガス事業者は燃料を石炭・石油を原料とする都市ガスから、メタン(CH?)が主成分のLNG・天然ガスに戦略転換した。欧米ではすでに天然ガスのパイプライン網が整備されていた。しかし、日本では冬場のつらい炊事作業から解放される小型湯沸し器を開発・普及している。長時間使用すると、酸素不足で炎が伸びて熱交換器にあたるとCOが1万倍にも爆発的に発生し、人間の肺に入って急性中毒事故に繋がる。

2.湯沸し器の燃焼安全対策からCH?利用技術の拡大
 天然ガスへの切り替え時、お客様先のガス器具を安全に改造・確認する。「絶対に事故を起こすな」との社長の命令に技術責任者として、現場での可能で有効な対策を採用した。
@小型湯沸し器の燃焼特性の把握 ⇒評価実証装置による加速試験での燃焼余裕度の確認 
A現場での燃焼の判定基準の設定と改造部品の仕様決定 ⇒メーカー等先への協力依頼 
BCO検知メーターの開発と現場作業での使用 ⇒3社共同開発で実現、東京ガスとの連携 

 お客様が安全・安心で信頼して協力頂ける体制を確立し実行した。大手ガス3社は各16年間、その後200社以上あるガス事業者は全てLNG・天然ガスとなり、電力事業者とともにLNGは基幹エネルギーとなった。最も優れた化石燃料としてLNGとその利用技術の経験・ノウハウは日本にあり、究極の発電利用技術もS-GTCCの実証、改善・普及に繋がっていく。

3.コロナウィルスとの付き合い方
 昨年11月、中国の武漢で発生した新型コロナウィルスは、従来のインフルエンザのウィルスが変異し、世界中に感染拡大したと考えられる。中国は武漢をはじめ全土に非接触、2週間の隔離措置を取り、短期間で拡大を収束させた。日本を含め東南アジアでも概ね同様の措置をとった。原因と対策が分からない中で、特に病院関係者は大変厳しい活動を強いられた。

 ウィルスは「細胞の分子生物学」の分野ではゲノム解析でDNAの構造が解明されるなど急速に進歩した。風邪、インフルエンザの原因となるコロナウィルス(以下ウィルス)は、呼吸に伴い人の肺の宿主細胞の中に入ると、ネズミ算的に複製され、爆発的に大気中に放散するとされている。ウィルスが変異し、パンデミック(世界的流行)の発生も早くから予想されていた。しかし、この発生メカニズムと対策につながる研究をした例は、見当らない。

4.新型コロナウィルスの爆発的増殖・集団感染と小型湯沸し器のCO発生の類似性
 人間は100kcal/haの燃焼器であり、燃焼に必要な酸素を取り込む。ウィルスが特定の条件下では、時間経過とともに1万倍にも複製増殖し空間内に放出される。教会のような密閉空間に長時間いると人がウィルス発生器となる。湯沸し器の酸欠状態での燃焼と同様に多数の感染者がでる。感染と発症の時期のずれがあり、このポイントを重点的に、監視管理することで、世界に拡大した半年間の多くの知見から予防保全の有効策が見えてくる。

5.ウィルスの有効な出口戦略と普通の生活を取り戻すために
 普通の生活を取り戻すために、感染の可能性を重みづけし対応する。ドイツのメルケル首相が5月18日に国民に向けて語った言葉は安心感、信頼感を与えた。人の肺に十分に新鮮な空気が取り込まれると感染は起こりにくい。医療設備も整わない国や地域にも有効な対策が、普通の生活を取り戻す手掛かりになる。出口対策に、より真剣な国で情報交流を図りたい。

 第2波が起こっても早い段階で対応できる。屋外なら安心であり、飛行機や電車、高速バスでも換気が十分あれば、問題は少ない。国際間の移動については、体温測定、PCR検査、数日間の移動追跡などの実績を積み、徐々に緩和していく。マスクは自分が感染している場合のウィルス放出防止が主目的で外部に安心感を与える。ウィルスが付着していても、通常は感染に至らないが、他の感染症予防のために手洗いなどは習慣づけるのがよい。   ■

2020年6月24日
【基調講演】   インドネシア・パーム油産業の現状・課題・将来
                               神前進一 
1.パーム油産業の現状
 世界で最も多く消費される植物油であるパーム油はインドネシアとマレーシアで世界の生産量の85%を占める。パーム油が採れるアブラヤシは原産地の西アフリカ熱帯雨林から19世紀末に東南アジアに導入され,20世紀初頭にインドネシアのスマトラ島とマレー半島で大規模プランテーション栽培が始まった。マレーシアでは1970年代から,インドネシアでは1990年代から栽培が本格化し,2006年にはインドネシアがマレーシアを抜いて世界最大の生産国となった。インドネシアの昨年末時点のアブラヤシ栽培面積は1638万ha(日本の国土面積の43%)に達し,スマトラ島とカリマンタン(ボルネオ)島に集中する。パーム油の6割は大規模プランテーション,4割は小農の農園で生産され,800万人以上がパーム油産業に従事する。 

 インドネシアのパーム油は7割が輸出に向けられ,最大の外貨獲得源となり国家経済を支えている。世界のパーム油の主要輸入国はインド,中国,パキスタン,バングラデシュなど途上国が上位を占める。EUは世界の輸入量の16%で,バイオ燃料に53%,発電・熱供給に12%が向けられるが,2030年までにパーム油の使用廃止を決め,インドネシアとの間で貿易戦争が生じている。日本は世界の1.4%に当たる70万トンを輸入し,80%以上がスナック菓子,インスタント麺,アイスクリーム,マーガリンなどさまざまな食用で,一人当たり年間5kg以上を消費している。アブラヤシは苗を植えて3年目から収穫可能で,年間を通し2週間毎に20年余り実をつけ続ける。このため単位面積当たりの油の生産量は大豆の10倍,ナタネの6倍と優位性が際立つ。

2.パーム油産業の課題
 しかしアブラヤシ農園を拓く際には,手つかずの森林が伐採され,膨大な炭素貯留源である泥炭湿地が排水される。乾燥した泥炭地では地下火災が頻発し酸化と相まって大量のCO2を排出し,ライフサイクルで見るとパーム油の温室効果ガス排出量は化石燃料を大きく上回り,インドネシアの温室効果ガス排出量(土地利用転変化を含む)は世界第3位となる。アブラヤシ栽培は熱帯林や泥炭地の破壊,森林火災,野生生物生息地の破壊だけでなく,地元コミュニティからの土地収奪や労働搾取,人権侵害などの問題も抱え,紛争パーム油と呼ばれ欧米先進国を中心にパーム油への批判が高まっている。

 パーム油産業を持続可能なものにすることを目指し2004年にWWFや欧州企業を中心に設立されたRSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)は栽培から流通まで厳格な基準を設定し,それを満たす農園に対し認証を行い,パーム油製品の差別化を図ってきた。プランテーション企業,食品や化粧品加工業者,小売業までサプライチェーン全体,NGO,金融機関など多様な4812のステークホルダーが加盟,日本企業も203社が参加している(2020年5月末)。世界で流通するパーム油の19%がRSPO認証油となった。

3.パーム油産業の将来に向けて 
 インドネシア政府は2011年以来泥炭地や原生林でのアブラヤシ開発凍結政策を強化し,2018年9月にジョコ大統領はアブラヤシ・プランテーションの新規開発永久凍結を表明した。しかし昨年の政府機関の監査結果でプランテーションの8割が規則に違反していると公表されるなど,実効性に疑問が大きく,規制の様々な抜け穴も指摘されている。

 新規開発が禁止される中,パーム油生産の4割を占める小農の土地生産性は大農園の3分の2以下と改善の余地が大きい。政府は石油純輸入の負担軽減のためパーム油バイオ燃料政策を推進し,現在はB40 の義務化を目指しているが課題が多い。また膨大なバイオマス資源であるアブラヤシ残渣がほとんど未利用で,搾油工場で発生する廃液のメタン回収も遅れている。こうした状況下でアブラヤシ果房(FFB,EFB)を利用した地域分散型の電力・燃料供給システムを導入する意義は大きい。    ■ 

2020年6月25日
パーム農園の農業資源の燃料化: 上流から下流までの国際商品システム
           エコ・サポート特別顧問(大阪市大名誉教授) 野邑奉弘
1.日本の木質バイオマス資源の現状 
 木質バイオマスは再生可能な資源であるので持続的に利用可能である.つまり木質バイオマスは「持続可能な発展」を 実現することができるものである。日本においては,木質バイオマス資源をエネ ルギー化して利用することが求められる.ところが,日本 の木質バイオマス資源は賦存量が決定的に少ないのが実状 である.日本の少ない木質バイオマス 資源の利用を普及させるために,多くの木質バイオマス資源の利用 技術が開発されている.ここにきて,少ない日本の木質資源を有効利用してきた技術をバイオマス資源の賦存量 が多い海外で有効に活用するチャンスが巡ってきた.

2.インドネシアの膨大な農業資源パーム油
 インドネシアのパーム農園は植物油であるパーム油を主要製品として生産性の向上と栽培面積 の拡大を進めてきた.インドネシアではパーム農園の面積はすでに日本の全耕地 面積の3倍以上である.

3.インドネシアは2045年までにGDP世界5位以内を目指す
 2019 年 10 月にジョコ大統領は第 2 期の就任式で「イン ドネシアは 2045 年に GDP 世界 5 位以内を目指す」ことを 宣言した.現在の 5 倍以上の GDP を達成するのは,現在までもまた今後も産業の中心であるパーム産業の発展以外に考えられない.パーム油が広く用いられるようになった最大の理由は,価格が安いことである.年間を通じて切れ目なく収穫できるうえ,単位面積当たりの生産性は植物油のなかでもっとも高い.

4.燃料化へのパラダイム転換は温暖化対策の基本戦略
 アブラヤシから食料油で利用するより,燃料化することの優位性への理解が少しずつ進みつつある.燃料油に変わると CO2 排出ゼロ評価のバイオ燃料として高く評価さ れ,長期的にも圧倒的に付加価値が高く持続可能な国際競争力をもって輸出による外貨獲得にも貢献できるため,重要な戦略になってくる.しかるに,植物油としてのパーム油市場に限界が見え出した.インドネシアのトップはパ―ム油から燃料化へのパラダイム転換が温暖化対策の基本 戦略、経済発展原動力として位置付けていることに疑いの 余地は少ないと考えている.

  5.日本・インドネシアとの相互連携協力が自然の流れ
 筆者は昨年2月に初めてインドネシアを訪問し,政府の取組みに触れること ができた.そして最もパーム農園が発達しているリアウ 州及び北スマトラ州の国営の農業公社のパーム農園を視察 することができた.今まで,日本ではパーム農園,パーム 産業のことが殆ど知られていない.インドネシアは歴史的 にも地政学的にも極めて日本との関係が深い.どちらも島 国であり,距離的にも近いし相互に連携協力することが自然の流れと受けとめている.

6.確立した技術での燃料化システムの構築
 パーム農園でのアブラヤシの果実(FFB)から、 CO2 排出ゼロ評価の再生エネルギーとしての燃料化へのシステムの特長は,新たな技術開発を必要としないで,システム構築できることである。すなわち,既に完成して実動している技術要素で組み立てできるシステム化が究極の目標である.具体的に, 製造した燃料を供給して S-GTCC(日本でその原型が実働 している高効率な発電システム)でパーム農園内のオンサイトで発電するシステムを提示している.

7.2050 年の日本とインドネシアのエネルギーの姿
 2050 年に向かっての両国のエネルギーの姿の終着駅を展望した.LNG とバイオマス 燃料が主なエネルギー資源として期待できる. これら,LNG とバイオマス燃料の利用技術も既に出来上 がって, 確立した技術の延長上で改善・改良を加えて進化 して達成できることが多い.           ■ 

2020年6月20日
インドネシアのパーム産業での燃料化に関するシンポジウム(ご案内)
                       株式会社エコ・サポート 
 東大阪はモノづくりのメッカ、起業家精神が企業の大きな集積があります。2003年に日本技術士会近畿本部主催の技術士全国大会で、東大阪の多くの企業のご支援を得て、成果をあげました。6月26日(金)にシンポジウムを開催します。ホームページを使って毎日新たな情報発信をして参加者を定員に達するまで募集します。

テーマ インドネシアの膨大な再生エネルギー資源を日本と共同で開発利用
    2045年、2050年以降のゴールへの実現のプログラム
日時  2020年6月26日(金)13:30〜16:30
場所  東大阪商工会議所大会議室  募集定員100名
主催者 潟Gコ・サポート(東大阪商工会議所会員、研究開発型コンサル・シンクタンク)
スケジュール  
13:30開会 主催者挨拶:潟Gコ・サポート取締役会長 技術士 安ヵ川常孝 
      スティグリッツ教授(ノーベル経済学賞受賞)の「成長する社会」の実践
  ご挨拶 インドネシア総領事館
      アリフィン・タスリフ エネルギー・鉱物資源大臣のメッセージの紹介
      大臣は昨年10月まで在日本インドネシア共和国大使。日本との連携を強く期待

14:00〜 基調講演   パーム産業の現状、課題と将来
 神前進一氏 大阪外大・大阪大での人材育成と、人文地理学,農村開発論を現地で実践。
    ボルネオ島での30年約50回の研究活動を通じてパーム産業の課題と可能性を紹介。
    「菜の花プロじぇくとみのお』を主宰して農業の実践活動中。
休憩
14:45〜  パネリストの発表とパネルディスカッション
       コーディネーター:神前進一氏(前述)
 野邑奉弘氏  大阪市立大学名誉教授 工学博士(エネルギー、熱工学)
    パーム農園の農業資源の燃料化:上流から下流までの国際商品システム
    インドネシアは温暖化対策推進と2045年GDP世界第5位を目指す取組みの背景
 安ヵ川常孝氏(前述)
    自立型で地域分散型電力製造供給システムで経済的で柔軟な電力ネットワーク構築
 深田晃二氏 技術士(衛生工学)技術士会衛生工学部会長 元京都女子大非常勤講師
    高効率なS-GTCC(Sustainable Gas Turbine Combined Cycle)発電システム
    日本で実用化されたシステムをインドネシアの700ヶ所のパーム農園に普及させる
 山本泰三 
    ガス小型湯沸器の燃焼特性と新型コロナウィルスの爆発的発生との類似性の一考察
    40年以上前に実証評価した燃焼科学・化学・工学の視点で出口戦略を考察する。
16:30 閉会挨拶
17:00〜  懇親会(最大70名):会費:2000円   

◆参加申込: HP「エコサポート通信」から。https://www.eco-support.co.jp/
   ⇒『エコサポート通信』でHPに入ったら左欄、目次の『トップページ』をクリック。
    シンポジウム案内の最下段に下記の案内,通信用アドレスで申し込み可能。
    参加費:2000円 8月初旬にA4で100ページの報告書を郵送します。
    申込用メールに氏名,所属をご記入ください。:dfaqv509@kcc.zaq.ne.jp
    毎日、関連情報を発信し、定員になり次第、表示・広告します。       ■

はじめに

天然ガスによる発電事業の実現は、わが国が世界に貢献するために必須の手段である。本ホームページ第10号で【緊急報告】「エネルギー戦略と電力の安定供給にどう向かうべきか」(2012.5.13)として下記の目次により公開してから丸5年になる。

2013年6月には技術士会近畿本部環境研究会(代表幹事:安ヵ川常孝技術士)の活動として、有識者、専門家の協力を得て発電の計画推進委員会(委員長:鈴木胖大阪大名誉教授)で、原発に代わりうる天然ガスによる先進型火力発電所(S-GTCC)を建設すべしという答申(※データをリンクさせる)を得て、弊社が事業を継承した。その後の活動を通じてS-GTCC実現のためのシンクタンクとしてプレーヤー・事業者を支援する役割が明確になってきた。

生き物が38億年間生き続けてきた基本は「まわりの変化に気づき、変化を受け入れ、順応すること」により進化してきたことにある。人間も生物の一つとして、この活動原則に従う必要がある。しかし、21世紀はグローバル化する社会の中で、情報が氾濫し、金と権力が社会を動かす大きな力となって、この原則が大きく歪んできた。情報が細分化され、流されてしまい、全体を見る者がいなくなった。

「エコ・サポート通信」というプラットフォームは2001年2月に創刊した。経済、社会、技術の動きなどを広く捉えて、情報発信してきた。2011年3月の福島原発事故の後、原発に代わりうるものとして、ハード、ソフト両面で取り組まないと世の中は動かないことがはっきりした。S-GTCC実現に向けてのシンクタンクとしての活動は、多くの有識者・専門家のご協力を得て継続して取り組んできたので、ようやく先の展望が見えかけてきた。

「エコサポート通信」は、このシンクタンクとしての役割を果たすために、継続的に情報発信する。実行可能か軌道修正もありうるが、年間4回、四季報としてレジュメを掲載する。3か月の間にコンテンツを書き上げて仕上げることで、継続して最新情報を発信する仕組みとする。

ホームページでは最小限の改定で伝えたいことを事実をもとに簡潔に示したい。身近なエネルギー問題の方向性、日本のエネルギー戦略が見え、どんな行動をすべきかを示し、変革・行動を起こすことである。このために経済性、社会、技術を融合した形でリスクを極力抑制しつつ技術システムを実証・評価しながら前進・実現させることで展望が開けていく。

ちなみに第10号のコンテンツは以下のとおりであり、データベースとしては現在も有効である。

  1. はじめに(2012年1月、環境研究会からの提言までの経緯)
  2. エネルギー基本計画と戦略をどう読むか
  3. LNG(液化天然ガス)とは
  4. 大阪湾岸に総量で1000万kWのLNG火力発電所はなぜ必要か
  5. 原子力と再生可能エネルギー(太陽光、風力など)とは
  6. LNG火力発電所計画を推進するために何をしなければならないか

電力・エネルギーをとりまく状況は、春になって草木が芽を吹きだすように確実につぼみが膨らんできた。2016年、エネルギー読み聞かせ絵本「太陽からのおくりもの」を制作・発行した。これを本ホームページで公開するとともに、2019年末までに長期的・広域的に通用する日本発の原発に代わる発電システムを実現できるか、その戦略の道筋を明確にしていく。

筆者はガス会社で経験を積み、S-GTCCの原型は1990年代後半に完成させた。日本の都市ガス事業はすべてLNG・天然ガスによって成り立っている最優良のプレーヤーである。

第11号のテーマ 「日本の都市ガスの経験から見える持続可能なエネルギー戦略」

目次


経営方針

  2019年に5つ目のCOとしてCustomerからConsumerに変更。

社名のエコ(ECO)、Echo(エコー)のように迅速に、的確にサポートします。

Economy経済 Conceptコンセプト造り
Ecology環境 Consultingコンサルティング
Energyエネルギー Coordinationコーディネート
Engineeringエンジニアリング Communicationコミュニケーション
Ethics倫理 Customer顧客満足

業務内容

【天然ガスによる先進型火力発電(S-GTCC)に関わるコンサル・シンクタンク】
 このシンクタンクとしてプレーヤー・事業者を支援します。
GTCC:ガスタービンコンバインドサイクル発電。ガスタービンと蒸気タービンのハイブリッドな発電で高効率でCO2排出量が少ないシステムで、1980年代に技術確立し、広く普及している。
S-GTCCのSはサステイナブル、持続可能性がより高いことを示しています。